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「撮影機器の利用に関する国際調査」調査結果のご案内

2012/02/27 [その他:トピックス]

PRESS RELEASE

2012年2月


《 撮影機器の利用に関する国際調査 》

現在のスマートフォンは“撮影機会の拡大”に貢献
コンパクトデジタルカメラは“特別な場面”で存在感

株式会社リックリサーチ(所在地:東京都文京区湯島3-7-7リックビル、代表取締役:小原哲郎)は、パソコンでインターネットを利用している人を対象に、「撮影機器の利用に関する調査」を日本/アメリカ/ドイツ/台湾/ブラジルの5つの国と地域で実施しました。当社では撮影機器に関して「最近購入者」を対象に各種調査を実施してきておりますが、本調査では購入時期に捉われない撮影機器の使用実体と購入意向について広くカバーした調査となっております。
※以下、台湾についても便宜上「国」と表記しています

【1】コンパクトデジタルカメラの使用率が高い“カメラの国”日本
撮影に使用する機器は「コンパクトデジタルカメラ」が各国とも最も多く、特に日本ではほぼ4人中3人が使用と高い使用率を示している。次いで「携帯電話」や「スマートフォン」となっており、日本では“ガラパゴスケータイ”と呼ばれるほど機能が進化した「従来型の携帯電話」で撮影を行う人が過半数に上る。一方で、アメリカとドイツでは「スマートフォン」が約4割に上る。(図表1)

図表1:  使用している撮影機器/複数回答・項目抜粋(%)

【2】若年層の撮影頻度はコンパクトデジカメ・スマートフォン共に高い
「コンパクトデジタルカメラ」及び「スマートフォン」を使用しての撮影について、先進国の状況を年齢別に見ると、各国とも年齢が若くなるほど「スマートフォン」での撮影者割合が多くなる傾向が見られるが、「コンパクトデジタルカメラ」には年齢と比例した関係は見られない。(図表2)

図表2: 年齢別:使用している撮影機器/複数回答・項目抜粋(%)

コンパクトデジタルカメラ/スマートフォンでの静止画撮影頻度は、機器別・国別いずれにおいても29歳以下の若年層で頻度が高い。(図表3)

図表3: 静止画撮影頻度(%)

【3】スマートフォン撮影者割合が高まってもコンパクトデジカメ非使用者増には直結せず
コンパクトデジタルカメラとスマートフォンを撮影に使用するパターンに分けて見ると、「コンパクトデジカメとスマートフォン両方とも撮影に使用」する割合は各国とも若年層ほど多くなる。また、「スマートフォンを撮影機として使用/コンパクトデジカメは非使用」のパターンもアメリカとドイツでは若年層ほど多くなっていることからも、スマートフォンでの撮影者自体が若年層ほど多いこととの関係が見てとることができる。但し、日本では“若年層ほどスマートフォンのみで撮影し、コンパクトデジタルカメラは使用しない”という顕著な傾向は見られないため、一般に言われる“スマートフォンの発達したカメラ機能により、コンパクトデジタルカメラの領域が奪われている”という状況は現れていない。(図表4)

図表4: コンパクトデジタルカメラ・スマートフォンの撮影使用パターン<使用機器再集計>(%)

コンパクトデジタルカメラとスマートフォンの使用パターン別に撮影頻度を見ると、1つの機器で撮影をまかなってしまう人(コンパクトデジタルカメラのみ/スマートフォンのみの人)よりも、コンパクトデジタルカメラとスマートフォンの両方とも撮影に使用する人の方がいずれの機器においても「週1回以上」の高頻度撮影者の割合は多い。撮影機器の“使い分け”をする方が一機器あたりの撮影は少なくなりそうだが、両方を使いこなす人の方が“撮影に積極的な人”として両方の撮影頻度が高くなるようだ。(図表5)

図表5: 撮影に使用する機器パターン別:「週1回以上」の高頻度撮影者の割合(%)
※コンパクトデジタルカメラ/スマートフォンでの各静止画撮影者ベース(試し撮り程度は除く)

【4】「旅行の思い出撮影」にも使われるスマートフォン
様々な撮影場面ごとに“撮影をするならどの機器を使うか”を尋ねた質問について、使用する機器を軸に再集計を行った。日本でコンパクトデジタルカメラを「旅行に持っていくのに使う」と回答したのは92%とほとんどの人が使用しているのに対し、「撮ってその場で楽しむのに使う」と回答したのは37%と半数に満たなかった。一方でスマートフォンは「撮ってその場で楽しむ」としたのが69%とコンパクトデジタルカメラの倍近い使用状況。加えて、スマートフォンで「旅行に持っていくのに使う」との回答は63%と、こちらも使用率は半数を超える。コンパクトデジタルカメラが使用場面によって“使い分け”されているのに比べると、スマートフォンはどのような場面でも使われており、“大事な思い出写真”に分類されるような旅行においても半数以上の人が使用していることが分かった。(図表6)

図表6: コンパクトデジタルカメラ/スマートフォンで静止画撮影する場面/複数回答・項目抜粋(%)
※コンパクトデジタルカメラ/スマートフォンでの各静止画撮影者ベース(試し撮り程度は除く)で再集計

スマートフォンでの撮影場面をアメリカ・ドイツと比較すると、「旅行」場面では日本同様約6割の人が撮影に使用している。「撮ってその場で楽しむ」場面での使用はアメリカで73%、ドイツで82%と日本を上回っており、より活発にスマートフォンで撮影を楽しんでいることが分かる。また、ドイツは「旅行」と「その場で楽しむ」の使用率差は20ポイント以上離れており、日本やアメリカよりも、より“撮影場面による使い分け”がなされている実態が見える。(図表7)

図表7: 国別:スマートフォンで静止画撮影する場面/複数回答・項目抜粋(%)
※スマートフォンでの静止画撮影者ベース(試し撮り程度は除く)で再集計

【5】今後購入したい撮影機器は「スマートフォン」
今後購入したい撮影機器を複数回答形式で尋ねると、アメリカ・台湾・ブラジルは「スマートフォン」が最も多く、「コンパクトデジタルカメラ」の意向は4割に満たない。一方日本とドイツは「コンパクトデジタルカメラ」が最も多く4割を超える。加えて日本は「スマートフォン」の意向も4割を超える。しかし、「今後1年以内位に購入したい撮影機器」と期間を限定すると、日本・ドイツも含めた全5カ国で「スマートフォン」の意向が最も高くなる。(図表8)

図表8: 今後購入したい撮影機器/数回答・項目抜粋(%)

今後、1年以内位に最も購入したい撮影機器(単数回答)として「コンパクトデジタルカメラ」と「スマートフォン」と回答した人について、現在のスマートフォンでの撮影有無別に回答を比較した。
既にスマートフォンで撮影している人が他国に比べ多いアメリカ・ドイツの2カ国(図表1参照)は、現在スマートフォンで撮影している人の「次回スマートフォン意向」が「次回コンパクトデジタルカメラ意向」よりも高くなっている。逆に、現在はコンパクトデジタルカメラでの撮影者が多くスマートフォン撮影者が少ない日本は、現在スマートフォンで撮影している人であっても「次回コンパクトデジタルカメラ」の意向の方が高い。
一方、現在スマートフォンで撮影していない人をベースに見ると、日本は「次回スマートフォン」の意向の方が「次回コンパクトデジタルカメラ意向」を上回る。ドイツは日本と逆の傾向を示しており、「次回コンパクトデジタルカメラ意向」の方が高い。
いずれとも異なるのが新興2カ国の台湾・ブラジルであり、ブラジルの現在スマートフォン撮影者による意向差こそわずかだが、「次回スマートフォン意向」は「次回コンパクトデジタルカメラ意向」を大きく上回っているのが特徴的。日本における現在スマートフォン非撮影者の意向状況も勘案すると、撮影用機器のみならず本来の通信用機器としての所有意向も含まれている可能性が考えられる。(図表9)

図表9: スマートフォンでの現在撮影有無別:今後1年以内位に最も購入したい撮影機器/項目抜粋(%)

【6】まとめ
現在のスマートフォン撮影使用状況は、“コンパクトデジタルカメラの領域を侵食している”というより、“撮影機会の拡大に貢献している”という様子が見えてくる。但し、今後の意向も含めて考えるとスマートフォンの存在感は大きく、特に既にスマートフォン撮影者が多いアメリカ・ドイツを先行事例として見るならば、“コンパクトデジタルカメラ離れ”の様子も一部には現れている。一方で、コンパクトデジタルカメラ利用者の多い日本では、スマートフォンユーザーが“旅行時と日常”といった使い分けをしていることや、日本よりはっきりとした使い分けの状況が見られるドイツで「次回コンパクトデジタルカメラ意向」が「スマートフォン意向」を上回るといった状況も見られる。
これらの状況を勘案すると、コンパクトデジタルカメラは「大事な思い出場面で活躍する撮影専用機」として存在感が今後増していくことが推察される。

【調査概要】
■ 調査対象者: パソコンでインターネットを利用している、18歳~64歳男女個人
■ 調査対象国: 日本/アメリカ/ドイツ/台湾/ブラジル
■ 調査実施期間: 2011年11月10日から11月30日
■ 調査手法:インターネットによるオンライン調査
■ サンプル数: 有効回収数: 5ヵ国合計 1518件
  日本  303件
  アメリカ  304件
  ドイツ  304件
  台湾   304件
  ブラジル  303件

【調査項目】
撮影に使用する機器/購入・入手時期(使用機器別)/静止画の撮影頻度(使用機器別)/動画の撮影頻度(使用機器別)/撮影場面ごとに使用する撮影機器(動画/静止画)/今後購入したい撮影機器(期間問わず・複数回答/1年以内・複数回答/1年以内に最も購入したい機器・単数回答)/写真撮影への関与度<写真趣味レベル>/ライフステージ/性別/年齢

【調査結果データ販売】
本調査結果のクロス集計データ(エクセル版)を有償にて頒布いたします(9万円/税別)。下記お問い合わせ先までご連絡ください。

【本調査に関するお問合せ先】
株式会社リックリサーチ マーケティング企画部
住所:  東京都文京区湯島3-7-7 リックビル
電話:  03-3834-8420(代表)
e-mail: info@ric.co.jp

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